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舞台20「おのれナポレオン」 [観劇]

舞台「おのれナポレオン」を東京まで観に行く。
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フランス史上最大の英雄 ナポレオン・ボナパルト、
その生涯の隠された真実とは…。
偉人たちの、意外な一面を描いて定評のある三谷幸喜が、野田秀樹にあてて描くのはフランス史上最大の英雄ナポレオン・ボナパルト!!
天才か、狂人か? 神か 悪魔か? 高潔な英雄か 人格破綻者か?…
その存在のあまりの大きさゆえに、
その人間性のあまりの幼さゆえに、
あがめられ、
畏れられ、
愛され、
憎まれた男、ナポレオン。
幽閉の地、大西洋の絶海の孤島セント・ヘレナ島での最期は、病死とも暗殺とも伝えられ、その死はいまだに謎に包まれている。
「おのれナポレオン」と殺意を胸に抱く者たち、「ナポレオンの名誉 L’honneur de Napoleon」をかけてその企てに立ち向かう者たち。
そしてナポレオン自身が仕掛ける一世一代のたくらみとは…。

 野田秀樹が、自ら作・演出しない舞台に出演するのは今回が初めて。三谷が演劇界の大先輩からのこの信頼に応えて猛烈に筆をふるう歴史ミステリー・三谷版「ナポレオン伝」


 思ったより、コメディ要素より会話劇と言う感じだった。
今度、ライブビューをするので詳しく話せないが、小スペースでの三谷さんらしい演出で、その中でも主演のナポレオン役、野田秀樹さんがいい動きっぷりをしていた(笑)。

 期待し過ぎてしまったのかもしれないが、役者の良さを存分に魅せてもらった舞台。山本君を始め内野くんも素敵で初めて内野くんを生で見た。そしてやっぱり天海祐希さんの貫録ある舞台姿と大人の女っぷり!なによりカーテンコールのお時儀の仕方、頭の下げ方深さが素晴らしく、思いがすごく伝わってくる!女性として、いや人として本当に尊敬出来る素敵な方でした。

名の売れた役者ばかりの素晴らしい6人芝居でした。

ネタバレごめん!舞台図模型
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舞台19「八犬伝」 [観劇]

舞台「八犬伝」を観る。

 仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌―― 文字が浮き出る不思議な玉を持つ8人の若者。不思議な縁(えにし)で結ばれた彼らを待ち受ける、苛酷な「運命」とは―― 。
お馴染、「八犬伝」が新たな物語となって甦る。
原作:滝沢 馬琴  「南総里見八犬伝」 台本:青木 豪 演出:河原 雅彦 出演:阿部サダヲ 瀬戸康史 津田寛治 中村倫也 近藤公園 尾上寛之 太賀 辰巳智秋 二階堂ふみ / 田辺誠一 他

 台本:青木 豪氏のコメント(添付)
「八犬伝を書きませんか?」とオファーされて、すぐさま快諾させて頂いたのは、関わらせていただく皆様が魅力的だったのもあるけれど、何より原作が「過去の話」で、かつ「いつらでもデタラメが書けそう」だったからだ。震災と原発以降、世の中があまりにもデタラメになってしまって、オファーが現代の話や未来の話だとしたら、書いたそばから嘘くさくなりそうで、僕にはその時、書き終える自信がなかった。この公演よりも早く、別所で八犬伝の舞台があると聞くが、ひょっとしたら多くの人が、安心して楽しめるデタラメを求めているように思えてならない。
 原作の八犬伝はハッピーエンドに終わるが、それは決して当時の世相がハッピーだったからではなく、むしろ「世の中があんまり酷いので、物語の中でぐらいハッピーに終わりたい」と馬琴が願ってのことだという説がある。馬琴様には申し訳ないが、今回の舞台はハッピーエンドには終わらない。といってバッドエンドにもしていない。元来僕自身が馬琴様よりもスケールの小さい人間だからなのかも知れないが、今を生きるものとして、やすやすとハッピーエンドを信じられないし、といって訳知り顔で観客の後味をただ悪くするようなバッドエンドを語るのも陳腐だと思ったからだ。過去の話ではあるけれど、今を生きるものとしてのエンディングを書けたと信じている。結局はだから、これは現代の物語になっているはずだ。当然エンディングだけでなく、幕開きからのすべての時間、芝居として楽しめるよう努力した。
 今を生きるお客様に、豪華なキャストとスタッフに支えられた現代の「八犬伝」を楽しんでいただけたら幸いである。 

 舞台始まってのオープニングから阿部サダヲくんがやってくれました!!掴み方が上手い!会場からこんなに早く笑いが取れるなんてさすが!
 
 話は丁寧に細かく前半は描かれていたので、これ2時間で終わるのか?と思うほどでしたが、後半はざっくり進みつつ、私の知っている原作とは違う展開が繰り広げられていった。演出も面白く、和太鼓演奏があったり、ちょっとした踊りと見え切があったりで良かった。
 
 キャストそれぞれがいいメンツで上手いし、特に津田寛治さんや田辺誠一さん、あと良かったのが尾上寛之くん、二階堂ふみちゃんは初舞台でもいい演技化けしていました。またセットも大がかりでだったし、刈谷もなかなか大きい小屋だった。

 東京・大阪・そして愛知、刈谷での公演。しかも千秋楽が刈谷っていうのもなんだか有難い!どんどんいい舞台公演が名古屋で公演してくれる事を願いたい。

 「八犬伝」が好きな私としては、また違ったオリジナルな楽しく観れた舞台でした。
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舞台17 「三月大歌舞伎」千秋楽 [観劇]

 少し前の事だが、「三月大歌舞伎」を御園座に観に行く。それも千秋楽日に。
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仕事の関係で午後四時からの開演には間に合わず、香川さん事、市川中車さんの「ぢいさんばあさん」の演目は観る事が出来なかったが、四代目 市川猿之助、九代目 市川中車 襲名披露 口上 から観る事が出来た。

そして「義経千本桜 川連法眼館の場」 通称「四の切」もしっかり観る事が出来た。

この演目は壇ノ浦の合戦後、兄頼朝から謀反の疑いを掛けられた義経を見方し匿う川連法眼の館に義経が感謝しに来る。そこへ佐藤四郎兵衛忠信が来たと告げられ、挨拶もそこそこ静御前の安否を尋ねる。義経を慕い後を追う静御前の危難から救ったのが佐藤四郎兵衛忠信。その褒美として着用の鎧と源九郎の名前を与えた上、初音の鼓を形見として渡した静御前の身柄を忠信に託していたのだ。ところが、そのような覚えはないと応えた忠信。
義経と再会を果たした静御前はそばに控える忠信が道中を共にした忠信と思っていたが同道した忠信ではないと聞き、共にやって来た忠信と着衣や雰囲気が違う事に気づき、更にこれまでの道中、忠信とはぐれることがあった折、義経から預かった初音の鼓を打ち鳴らすと、忠信が必ず姿を現したことを思い出す。
静御前が初音の鼓を打ち鳴らすとその音に誘われるように忠信が姿を現し、静御前の打つ鼓の音色をに聞き入る。そんな忠信に正体を白状するように問い詰めると身の上を語り出す。
桓武天皇の時代、宮中の大儀式が執り行われる際、千年の寿命を保つ雌雄の狐が狩り出され、その生き皮を使用して、初音の鼓が作られその狩り出された夫婦の狐の子であったのだ。自らの素性を語った忠信は狐の姿へと変わる。両親を恋い慕い鼓に付き従っていたのだが、これ以上迷惑がかかると姿を消すのだが、義経、静御前はその思いに涙し、再び、源九郎狐が姿を現すと、初音の鼓を与えると告げる義経。喜びに打ち震えながら鼓を受け取ると、お礼とばかりに通力をを用いて夜討ちをかけようとする悪僧たちを翻弄する。そして義経と静御前に暇を告げると初音の鼓を携え、住み慣れた古巣を目指して飛び去って行くのであった。

なんと言っても猿之助さんの見事な動き、忠信から九郎狐への早変え!狐になった時の人間とは思わせない雰囲気など素晴らしかった。鼓を貰い受け、喜ぶ姿はとても可愛く、飛び跳ねるシーンは見事なジャンプを魅せてくれた。特に印象的なのは、階段や欄間からの飛び出し!そして宙吊り!

口上の時に最後の台詞が「おさらば~」と言ってから飛ぶため、今日は御園座最後との思いも込めて・・・と言っていたのも良かった。

宙吊りでは、そんなに動いていいの?!と言うほど空中で揺れていて驚いた。でもその表情がすごく良く2階席に座っていた私の方にちょうど向かってきてくれる感じでさらに桜吹雪が舞うという素敵なラストでした。
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カーテンコールでは、猿之助さんの計らいで社長や御園座のスタッフさんも舞台に出られ、社長のご挨拶と三本締めでお開きとなった。
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会場を後にすると、TV局などが撮影に来ていた。これで最後と思うとやっぱり寂しく感じる昔からのなじみの施設。復活を楽しみにしたい。
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そして千秋楽後日、口上の時に宣伝していた、同時期に三越にて猿之助展が開催されていた。
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初代猿之助~の歴史や舞台写真、衣装展示。そして猿之助の軌跡映像が45分上演されていた。それには、染五郎くんなどインタビューや、今回の四の切の解説や舞台裏なども見る事が出来て、さらに今回の舞台の良さを噛み締める事が出来た。
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残念な訃報もあったが本当に歌舞伎も若手というか、海老蔵・勘九郎・七之助・染五郎・獅童・中車などそれぞれが大活躍して盛り上がっていて面白い!これからも楽しんで行きたい。

福山雅治さんからの贈り幕
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舞台15「盲目剣谺返し・隠し剣鬼ノ爪」 [観劇]

舞台「盲目剣谺返し・隠し剣鬼ノ爪」

 大阪へはキャラメルボックス ハーフタイムシアターを観に行った。
通常2時間の舞台1本のところを、1本1時間の芝居を2本も見せてくれる。そして今回は初の時代劇!藤沢周平原作の2本立て。
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「盲目剣谺返し(もうもくけん こだまがえし)」
どちらも映画化になっているので、知ってる人は多いかと思いますが、こちらは木村拓哉主演「武士の一分」の話。
STORY:海坂藩士・三村新之丞は幼い頃から学問と剣術に秀で、藩校では秀才、道場では麒麟児と呼ばれた。出仕後は藩主のお毒味役を勤めていたが、ある日、貝の毒にあたり、両目の視力を失ってしまう。自暴自棄になった新之丞を、妻・加世は献身的に支えた。半年後の九月、新之丞は加世の変化に気づく。化粧の香りが以前より濃くなったのだ。加世は月に一度、目の病に奇効があるという不動尊へ祈願に行く。その帰りも遅くなった。よその男と会っているのか?嫉妬に苦しんだ新之丞は、老僕・徳平に、加世の尾行を命じる・・・。

 妻・加世さんが本当に出来た女房で、お互い思い合っているからこそのせつなさなど、素敵な夫婦のお話でした。そしてメンバーもベテラン揃いの安定した芝居でした。

「隠し剣鬼ノ爪(かくしけん おにのつめ)」
STORY:五月のある夜、海坂藩士・片桐宗蔵は大目付の役宅に呼びつけられ、狭間弥市郎を討てと命じられる。狭間は江戸で上役を斬り、重傷を負わせた。その場で取り押さえられた狭間は、直ちに国元へ連れ戻され、山奥の牢に押し込められた。その狭間が牢を破り、番人を人質にして、「片桐を呼べ」と要求しているという。片桐と狭間はかつて同じ道場で剣を学ぶ友人だった。技量は狭間の方が上。ところが、道場主・小野治兵衛は秘剣・鬼ノ爪を狭間でなく、片桐に伝授した。死を覚悟した狭間は、片桐との決闘を望んでいるのだ・・・。

こちらは友情もの。男同士のせめぎ合いの様な男物語。こちらのチームはフレッシュな感じであり面白さもあってポップな芝居でした。どちらもキャラメルらしい心がほっこりするエンディングでした。
幕間の20分ぐらいでセットも変えて凄かった。ハーフタイムシアターだけにとても見やすくいい舞台を楽しめました。
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 今回もいました。キャラメルマスコットのみき丸くん!
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舞台10劇団新感線「ZIPANG PUNK~五右衛門ロックIII」 [観劇]

劇団新感線「ZIPANG PUNK~五右衛門ロックIII」を大阪へ観に行く。

 歌舞伎作品などで語り継がれている日本を代表する大泥棒・石川五右衛門を主人公に、座付き作家・中島かずきがオリジナルストーリーを書き、座長・いのうえひでのりが演出し、劇団の看板役者・古田新太が主演した「五右衛門ロック」が2008年に上映された。2010年には「薔薇とサムライ~GoemonRock OverDrive」が上演され劇団の代表作とも言えるのが、この“五右衛門ロックシリーズ”

 劇団☆新感線の作品はドラマ性を重視した“いのうえ歌舞伎”とひたすら笑いに特化した“ネタもの”、そして音楽を中心に据えた“音モノ”、この三本柱でジャンル分けされていますが、“五右衛門シリーズ”が属するのは“音モノ”。3作目の今回もこれまで同様に森雪之丞さんが作詞を担当し、テーマ曲を筆頭にたくさんの楽曲をバンドの生演奏にのせて散りばめられ、歌あり、アクションあり、ベタなギャグありの徹底したエンターテインメイント作品。
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=STORY=
 天下に名だたる大泥棒。石川五右衛門(古田新太)は、ひょんなことから若い女盗賊、猫の目お銀(蒼井優)とともに空海が開いた津雲寺にある黄金目玉像という古い仏像を盗むことになる。津雲寺を預かるのは尼僧の春来尼(髙橋由美子)、新任の京都所司代盗賊目付探偵方である明智心九郎(三浦春馬)との丁々廃止の知恵比べのあと、なんとか黄金目玉像を盗み出した五右衛門だったが、よくよく見るとそれは金メッキの鉄像だった。その頃、秀吉(磨赤兒)は腹心の石田三成(粟根まこと)、前田慶次郎(橋本じゅん)らと朝鮮出兵を見送っていた。秀吉らが去った後、慶次郎の前にボロボロのマントを着た謎の南蛮人シャルル・ド・ボスコーニュ(浦井健治)が現れる。彼はかつて五右衛門がヨーロッパに渡って海賊をやっていた時に知り合った、とある小国の王太子だった。五右衛門に会いたいと言うシャルルを幼馴染の慶次郎が会わせると以前、共に戦ったマローネ(高田聖子)がまさに空海の黄金目玉像を狙って日本に渡ってきている事を聞かされ驚く。当の黄金目玉像はお銀が、堺の豪商・蜂ヶ屋善兵衛(村井國夫)に渡していた。そこにはマローネの姿も。実は仏像の底に空海が唐から持ち帰った大量の黄金のありかが、暗号文で示されていたのだ。善兵衛とマローネが用済みとなったお銀を始末しようとすると、現れたのは心九郎。お銀を助けると黄金目玉像も奪い逃げ去っていく。果たして暗号文が示す黄金のありかとは?五右衛門は見事に謎を解き、お宝をゲットすることができるのか?

 また舞台が日本に戻りつつも、前作のマローネやシャルル・アンヌ(天海祐希)は映像での登場でしたが話が絡んでいたのが良かった。今回は音色が強くいつも以上に歌が多く賑やかだったように感じる。

 春馬くんは見事に舞台スターの風格が現れてきた(笑)最初の「地球ゴージャス」では必死に務めていたいた感じがあり、次に観た「地球ゴージャス“怪盗セブン”」ではすっかり舞台に慣れわくわくしながら演じていた。そして今回の劇団新感線では、活き活きと見事に楽しみながら舞台に立っていた。本当に舞台を好きになってくれたんだなぁと嬉しくなる。ダンスや歌もカッコ良くキャラも面白く魅せていた。蒼井優ちゃんは地味に溶け込んでいた。今までに観た事のないイメージを受けたが楽しんでいたように思う。歌も悪くなかったし、仕草が可愛かった。ベテラン村井さんはやはりいい声で歌も素敵だった。麿さんも渋いながらも、五右衛門の身代わりの場面ではお茶目っぷりを発揮してくれた。橋じゅん、聖子さんを始め劇団メンバーの安定感と、やっぱり見せる所は魅せる古田さんの五右衛門の登場!盛り上がる!!

 五右衛門シリーズでもやっぱり、1作目と前作を気に入っていた分、期待も高かったから気持ちがいまいち・・・すっきりとはしなかった。娯楽としては楽しめるのだが、やっぱり芝居重視の“いのうえ歌舞伎”の方が好みだと改めて感じた。
 次のゲキXシネは「シレンとラギ」との事なのでそちらもとても楽しみになった。

オリックス劇場入口・・・旧大阪厚生年金会館(久しぶりに行って迷いました(笑))そしてキレイになってました。
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ロビーには歴代五右衛門シリーズのポスターが飾られていました。
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観劇キャラメルボックス「キャロリング」 [観劇]

演劇集団キャラメルボックスのクリスマスツアー『キャロリング』を神戸まで観に行く。

 演劇集団キャラメルボックスの2012年を締め括るクリスマスツアー『キャロリング』が、11月18日に兵庫・新神戸オリエンタル劇場で幕を開けた。『阪急電車』や『図書館戦争』などでも知られる作家・有川浩とのコラボレーション企画の本作。キャラメルボックスでの上演を前提とし、脚本・演出の成井豊と有川が共同で考えた原案をもとに、有川が原作小説を提供するという新たな試み。

 舞台はクリスマス一色に染まった東京。12月25日に倒産することが決まった子供服メーカーの社員・大和俊介(阿部丈二)と折原柊子(前田綾)は、惹かれ合いながらも結婚に対する意識のすれ違いから、距離を置いてしまう。そんな中、会社が運営する学童でひとり母の帰りを待つ少年・田所航平(林貴子)に関わっていくうちに、ある事件に巻き込まれ……。

心に深い傷を抱え、ときに冷ややかな感情を表す主人公の大和。そして、不仲の両親に心を痛め、感情を爆発させる航平。登場するのはどこかしらに孤独を感じさせる人たちばかりだ。“クリスマス”や“子供服”で想像される温かなイメージとは裏腹に、舞台上には常にピリピリとした空気が流れる。しかし、シリアスな場面でも笑いを挟み込むキャラメルらしさももちろん忘れない。緩急つけたストーリー展開が観客の心を揺さぶり、笑いと涙を誘うのだ。真っ直ぐな子供の心に触れた大人たちの変化や、不器用にしか生きられない人間たちの、根底に流れるそれぞれの優しさを感じ取ることができる。

大和役の阿部は、一見爽やかな好青年だが、その奥にはしっかりと闇を滲ませて演じ、ゾクッとさせる瞬間がある。航平を演じる林は、ストレートな感情表現とキラキラした目で12歳の子供を好演。大人の心を動かす、胸に迫るフレーズを投げかける。ほか若手を中心とした面々に、航平の父親・祐二を演じる大内厚雄や、祐二が務める整骨院の院長・坂本冬美を演じる岡田さつき、子供服の会社社長・大森美紀子らベテラン俳優陣が落ち着いた存在感で舞台の空気を締めている。

自分が抱える不幸や過去を理由にして前へ進めない人たちの背中を、そっと押してくれるこの物語。緊迫した空気が解放される瞬間は心地よく、最後は思わず笑みがこぼれる。(記事抜粋)

 いつも以上にほっこりとさせてくれる作品でした。2列目で芝居を観る事が出来て、役者の熱い演技を目の当たりする事も出来ました。今回は少年役の林貴子ちゃんが、見事熱演で凄く印象的でした。主人公の阿部君も安定感もありつつ心境の表現が深くもあり、ヒロインの中村綾ちゃんもいつもほどのちゃきちゃき感のキャラではないが、心が広く深い女性を演じて魅力的でした。周りを固めるベテラン勢ももちろんの事、主人公たちを追い込む畑中君率いる若手チームもキャラそれぞれに芯があり憎めない人達でした。
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登場人物みんながそれぞれキャラが立っていて素敵でした。
 クリスマス前に心温まるいい作品でした。
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観劇「悼む人」 [観劇]

少し前の話。

「悼む人」を中日劇場で観劇する。

原作は天童荒太が7年の歳月を費やし書き上げた小説「悼む人」。全国を放浪し「死者を悼む旅を続ける主人公」を巡って、「旅に随伴するかつて夫を殺した女」、「人間不信の雑誌記者」、「末期癌の母」、「子供を身ごもる妹」らのドラマを描いたこの作品。善と悪、生と死が交錯する至高の愛の物語として、2009年第140回直木賞を受賞するなど大きな話題となりました。

今回、かねてより「悼む人」にラブコールを送っていた堤幸彦の演出により初の舞台化が決定。脚本をつとめるのは、数多くの映画をはじめ、 NHK連続テレビ小説(「てるてる家族」)やNHK大河ドラマ(「風林火山」)などを手がける大森寿美男。主演は、本作で2本目の舞台となる向井理。共演には、小西真奈美、手塚とおる、真野恵里菜、伊藤蘭の4名。今回の舞台化では、登場人物を、主人公である”悼む人”静人、悼みの旅に随伴する女、雑誌記者、静人の母、そして妹、以上の5人に絞り、各自のモノローグを多様した芝居と、印象的なイメージ写真と映像を交えて物語を構成し、心に突き刺さるようなそぎ落とした脚本と、スタイリッシュな写真で、「悼む人」の世界を再構築致します。

 「この人は誰に愛され、
  誰を愛していたでしょう。
  どんなことで 感謝されたのでしょうか。」

人が亡くなった場所を巡り、その死を悼む男、坂築静人。
彼はなぜ、あらゆる死者を悼む旅を続けるのか。

静人に関心を抱き、その裏を暴こうとする雑誌記者・蒔野抗太郎。
悼みの旅に随伴する、かつて夫を殺した女・奈儀倖世。
癌に冒されながら、静人の帰りを待つ母・巡子、
そして新たな生命を授かった、静人の妹・美汐。

彼らの思いは絡み合い、 静人の悼みへとつながっていく――。
生と死、愛・・・そして罪と赦しの物語。


 名古屋の千秋楽を見た。日曜日の千秋楽と言う事もあり、多くの女性客が多かった(笑)
舞台はシンプルで、場面ごとに吊りものとスライド、ソファーなどを出したりしていた。最初は手塚君がそこに人がいるような演技で魅せてくれた。蘭さんも出だしから面白キャラでしたが、病気と闘う素敵な母親でした。最後の方は手塚くんと蘭さんのシーンはちょっぴりユーモラスさもあり和ましてもらった。妹役の子は見た事あるなぁ・・と思っていて後から知ったのだが、堤監督作品「SPEC」のサトリちゃんだった!あのキャラは可愛かった。そして今回何より、やっぱり見事だ!と思ったのは小西真奈美ちゃん。恋人との回想シーンを多少声の加工がしてあると思うが、声色を変えて演じ魅せてくれた。向井君はホントにナチュラルな感じが役にもあっていた。役者が客席を歩いてくれるのだが、向井くんが近くの通路通った時は周りの女性客がただのFANになってて、観ているこっちはちょっと興醒めしてしまった。でもFANの気持ちもわからないでもないけどね(笑)近くで見れて良かったし、カッコ良かったです。
 
 堤監督らしい演出で重みのある作品でした。
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観劇『アイーダ』 [観劇]

ずっと以前の話。やっとアップできる(笑)

劇団四季ファンの友達にチケットをとってもらい、久しぶりに四季を観に行く。
「アイーダ」
これは愛の物語。

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誰にも引き裂くことのできない運命の愛は、時空をも超える
時は古代、ファラオが支配する強大な王国エジプト。いにしえよりナイルの恵みを受けてきたこの国は、領土拡大をねらって隣国ヌビアに攻め入っていました。ヌビア国侵攻の先頭に立つのは若き将軍ラダメス。破竹の勢いで勝利をおさめ、捕虜をともなって意気高らかに帰還します。帰国の途上、ヌビア人捕虜の中のアイーダという女性が、大胆にも反乱を試み、ラダメスに抵抗します。実はこのアイーダこそ、身分を隠したヌビア王女だったのです。

アイーダの正体を知らないラダメスは、婚約者である王女にアイーダを侍女として献上します。ぜいたくに着飾った日々を送る王女アムネリスは、物怖じしないアイーダの態度に驚きますが、次第に侍女以上の信頼を寄せるようになるのでした。

ヌビア遠征の成功を祝う晩餐会の席上。エジプト王は娘アムネリスとラダメスとの結婚を7日後に行うと宣言します。王女との結婚はラダメスの将来を約束するものでしたが、冒険を愛するラダメスは言いようのない失望感を味わいます。
「自分の運命が気に入らないのなら、変えればいい」
落胆するラダメスに、アイーダは挑戦的な言葉を投げつけます。現在は捕虜の身の上でありながら、勇気を持ち気高さを失わないアイーダの言葉にラダメスは衝撃を受け、自らの過ちを認めます。アイーダもまたラダメスのいさぎよさに驚き、次第に二人は惹かれ始めます。

その頃、ヌビア人奴隷の間では王女アイーダに祖国再生を託そうという気運が高まっていました。固辞したものの、やがて指導者としての自覚に目覚めたアイーダは、指導者を象徴するローブとともに自らの運命を受け入ることを決意します。一方、アイーダへの愛を自覚したラダメスは、新たな人生を送ろうと自らの財を人々に惜しげなく分け与えます。自らの思いに正直に生きようとするラダメスの姿を見て、アイーダもまた心を抑えきれず、二人は愛を確かめ合うのでした。
アイーダ、ラダメス、そしてアムネリス。敵国同士、それぞれの国を背負って立つ三人の愛を、運命が大きく押し流し始めます。
ラダメスとアムネリス二人の結婚の日が近づいてくる…。

 以前「アイーダ」を観て、ストーリーなど作品良さに惚れこみ、今回も1度は観たい!と思って観に行く。前回公演の終わり頃に観に行った時にはメインキャスト阿久津さんではなかったので、今回早めに観劇したのだが、残念ながらタイミングが合わず1週前から変わってしまっていたようだ。

 アイーダ役の方も私には最初馴染めなかったが、徐々にアーダの魅力に惹かれて行くようにしっくりきてた。その分ラダメス役の方がちょっと若い感じというか重い存在感がもう少し欲しかった。アムネリス役のお姫様は本当に可愛らしく、そして色々心境の変化から徐々に女王と成長していく姿もいい。昔観た時と同じ人だと思うが、凄く綺麗な方で、うちの劇団の西尾知里にとても良く似ている。改めてちさっちって宝塚にいてもおかしくない風貌を持ってると思う。
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 久しぶりの劇団四季新名古屋ミュージカル劇場は「こんなサイズだっけ・・」と思う小じんまりサイズだが、色々思いつつ、それでも十分「アイーダ」の世界を楽しむ事が出来た。
 友達が安く良い席を取ってくれた事にも感謝!

 やっぱり「アイーダ」はストーリーがいい[黒ハート]

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観劇NODA・MAP「エッグ」 [観劇]

『エッグ』を観る。

野田秀樹からのラブコールで椎名林檎が劇中歌を担当!
作詞:野田秀樹、作曲:椎名林檎、歌:深津絵里
客席を熱狂の渦に巻き込む3人の主人公。

自由奔放なアスリートを演じる妻夫木聡、ストイックなベテラン選手に仲村トオル。深津絵里がシンガーソングライターを演じ、この舞台上にしか存在しない贅沢な歌を歌う!
 エッグなる謎のスポーツをめぐる奇談。競技は常に見えない舞台奥の向こう側で行われているから、観客は歓声の響くロッカールームを見るだけ。エッグって何? その起源は? 謎が謎を呼ぶ展開にほんろうされていると、芸術監督役の野田秀樹が実際に出てきて劇を中断させたり、その愛人(野田2役)が女生徒をつれて劇場を案内したりで、劇は入れ子構造になっていく。なんと劇の世界は寺山修司の謎の台本を手にした芸術監督の妄想という形をとっていた。スポーツのナショナリズムを描く劇作家は俳優の演技を断ち切り、当意即妙に筆を執り直し、とうとう日本人の禁断の過去に肉薄する。その作意の道程さえ見せてしまうのだ。
オリンピックを目指す熱狂を舞台に取り込んだ(撮影 岡本 隆史) 冒頭、ロッカーやイスが散乱する控室。いさかいの跡を思わせる不思議な光景は白熱する日中戦の舞台裏に変わり、あれよあれよというまに時代をジャンプする。1964年の東京五輪から、戦前の幻の東京五輪、さらには満州(中国東北部)へ。
 前半のスポーツの場面が戦争の秘話に裏返るさまは、まるで手品だ。スポーツと戦争が大衆を沸かせる点で似通った相貌(そうぼう)を呈することはよく知られているが、ふたつが表と裏をなす野田の演劇的しかけは水際だっていた。能の前シテと後シテではないけれど、場が変わると同じ人間が別の運命を生きるのだ。全編で休憩なしの2時間あまり、後半は息もつかせない。
 真実を覆い隠す壁。人を移動させる汽車の汽笛。大衆を扇動する歌の力。責任を他人になすりつける言葉。視聴覚を刺激するあれこれが、いってみれば演劇的交響楽となって五感を刺激してくる。いつのまにか、スポーツの熱狂は戦争の狂気の似姿となり、観客は第2次大戦中のおぞましい人間の行いを目にすることになる。劇としては謎が解けていく展開が一直線にすぎるきらいがなきにしもあらず。人間が時空を超えて変身する構造をもっと浮き立たせたい気もする。が、それでも野田が近年磨いてきた「見立て」の演出が刻々と変化を作って見ごたえがある。
謎解きの詳細は書けないけれど、ニッポン、ニッポンの歓呼も記憶に新しいオリンピックの熱狂を取りこむこの舞台はまさに演劇的運動だった。イメージの激しい跳躍は、ことしの演劇界の語りぐさとなるだろう。(記事抜粋)

野田さんの舞台はすべてが簡単に理解できず言葉にも表わせづらいが、今回は出演者や演出の見事さに拍手を送りたい!シーンの見せ方、役者の登場の転換などほんとにやってる側は大変だろうが、見てる側は“えっ”と思わせる感じ。今までの中ですごく心に焼きついた。

 キャストも常連妻夫木君、そして野田作品初の仲村トオル君の二人の対象ぶりがいい。超常連深津ちゃん!今回は歌声も素敵でますます魅了させられました。大倉くんのコミカルさに笑い、ベテラン橋爪さんのアドリブっぽさの楽しさ、秋山さんのスタイリッシュさなどそれぞれが素敵。そしてストーリーはいつもながら後々、“あっこういう話と繋がってるんだ”と感心させられる。そして今回のラストも見事な仕掛けでOPと繋げていった見せ方と、野田さんの締め方、嫌いじゃない!!

ラストまで素晴らしく見せてくれて更に好感がもてた舞台でした!
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観劇「サイケデリック・ペイン」  [観劇]

今回の東京旅行は観劇がしたくて実現した。1つの舞台チケットを取っていたが、この作品もどうしても気になって・・・発売してだいぶ経ってからチケットを取ったので余計に苦労した。本当は千秋楽の日が都合良かったが、取れず前日となり、1日東京観光する余裕が出来たから逆にそれも有難かった。

「サイケデリック・ペイン」を観た。

天才”と称される作詞家・森雪之丞さんが書き下ろした戯曲に、
 ロック界の伝説・布袋寅泰さんが音楽を提供、
 そして演出には新感線のいのうえひでのりさんという、まさに完璧の布陣。
 出演者も、歌えて、演奏できて、芝居ができる若手注目株がズラリと揃い。
福士誠治・北乃きい・綾野剛・片瀬那奈・内田朝陽・橋本じゅん他

STORY 
――どこか懐かしい近未来。
人気急上昇中のロックバンド“サイケデリック・ペイン”のヴォーカル・詩音(福士誠治)の前に現れた謎の美女ソフィ(北乃きい)。自らを天使だというソフィは、“ブレイン・スクエア”のハッキングで毎夜詩音に、「世界を救えるのはあなただけ。あなたが救世主です。」と訴える。大天使ミカエルを復活させるための3つの鍵、その最後の鍵『救世主(メシア)の孤独』を、詩音が隠し持っているというのだ。
いつしかソフィの存在は、人知れず“孤独”を抱えていた詩音の心に、特別な感情を芽生えさせた。
ある日、異変に気づいた“サイケデリック・ペイン”のギター・魁人(綾野 剛)に詰め寄られ、詩音はバンドを辞めると言い出す。
――信じ続けたROCK、夢に向かって共に歩んできた仲間たち…それらを捨ててでも、ソフィを守る。ソフィへの思いは、“愛”に変わっていた。
救世主の宿命を背負った詩音と、そんな彼を放っておけない魁人、そしてバンドのメンバーは、復活をめぐる“天使”と“悪魔”の争いに巻き込まれていく。
奇しくも“サイケデリック・ペイン”野外音楽堂でのライブ当日。ついにすべての鍵が揃い、ステージ上で詩音はソフィへの愛を証明するために、救世主であることを受け入れようとするが・・・
――悪魔を崇拝する秘密結社“ダークネス”も魔王ルシフェルの降臨を願い、その時を狙っていたのだった。
“天使”と“悪魔”……それは、人間が持つ複雑な心の分身。“善”と“悪” “光”と“影” 相対する2つのパワー・バランスが崩れた近未来社会で、幻のような痛みを抱え、迷いながら未来を模索する若者たち。彼らが、本物の“愛”に出会ったとき、そこには真実(ほんとう)の“天使”が現れる……。

 劇中では、実際にバンドとして演奏するのだが、ちゃんとバンドになってて、福士くんも歌が上手かった!北乃きいちゃんも思ったより声が澄んでて普段の声よりも役にあった透明感のある声で、アクションしながらすぐ唄うシーンもあり、かなり気を配ったケアをしたと思われるプロ根性をみせてもらったきがする。綾野くんも今回長髪だったけど、やっぱりカッコ良く、ギター弾く姿がめちゃくちゃ様になっていた。彼女役の内田慈ちゃんもカワイイ役どころで魅力あふれていた。そんな内田ちゃんの祖父役が橋じゅん!やってくれました!盛り上げキャラ。菅原さんとの博士と助手コンビは笑いタイムの箸休めっぷりが良かった。

 アクションもあり、みんな唄ったり、客席はライブハウスにいるかの様な感覚の演出で、またリピーターファンもライブシーンでペンライトを取りだしスタンディングで手拍子!まさにライブだった!!

それぞれカッコいい曲調でロックな舞台を楽しめました!!
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