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観劇NODA・MAP「エッグ」 [観劇]

『エッグ』を観る。

野田秀樹からのラブコールで椎名林檎が劇中歌を担当!
作詞:野田秀樹、作曲:椎名林檎、歌:深津絵里
客席を熱狂の渦に巻き込む3人の主人公。

自由奔放なアスリートを演じる妻夫木聡、ストイックなベテラン選手に仲村トオル。深津絵里がシンガーソングライターを演じ、この舞台上にしか存在しない贅沢な歌を歌う!
 エッグなる謎のスポーツをめぐる奇談。競技は常に見えない舞台奥の向こう側で行われているから、観客は歓声の響くロッカールームを見るだけ。エッグって何? その起源は? 謎が謎を呼ぶ展開にほんろうされていると、芸術監督役の野田秀樹が実際に出てきて劇を中断させたり、その愛人(野田2役)が女生徒をつれて劇場を案内したりで、劇は入れ子構造になっていく。なんと劇の世界は寺山修司の謎の台本を手にした芸術監督の妄想という形をとっていた。スポーツのナショナリズムを描く劇作家は俳優の演技を断ち切り、当意即妙に筆を執り直し、とうとう日本人の禁断の過去に肉薄する。その作意の道程さえ見せてしまうのだ。
オリンピックを目指す熱狂を舞台に取り込んだ(撮影 岡本 隆史) 冒頭、ロッカーやイスが散乱する控室。いさかいの跡を思わせる不思議な光景は白熱する日中戦の舞台裏に変わり、あれよあれよというまに時代をジャンプする。1964年の東京五輪から、戦前の幻の東京五輪、さらには満州(中国東北部)へ。
 前半のスポーツの場面が戦争の秘話に裏返るさまは、まるで手品だ。スポーツと戦争が大衆を沸かせる点で似通った相貌(そうぼう)を呈することはよく知られているが、ふたつが表と裏をなす野田の演劇的しかけは水際だっていた。能の前シテと後シテではないけれど、場が変わると同じ人間が別の運命を生きるのだ。全編で休憩なしの2時間あまり、後半は息もつかせない。
 真実を覆い隠す壁。人を移動させる汽車の汽笛。大衆を扇動する歌の力。責任を他人になすりつける言葉。視聴覚を刺激するあれこれが、いってみれば演劇的交響楽となって五感を刺激してくる。いつのまにか、スポーツの熱狂は戦争の狂気の似姿となり、観客は第2次大戦中のおぞましい人間の行いを目にすることになる。劇としては謎が解けていく展開が一直線にすぎるきらいがなきにしもあらず。人間が時空を超えて変身する構造をもっと浮き立たせたい気もする。が、それでも野田が近年磨いてきた「見立て」の演出が刻々と変化を作って見ごたえがある。
謎解きの詳細は書けないけれど、ニッポン、ニッポンの歓呼も記憶に新しいオリンピックの熱狂を取りこむこの舞台はまさに演劇的運動だった。イメージの激しい跳躍は、ことしの演劇界の語りぐさとなるだろう。(記事抜粋)

野田さんの舞台はすべてが簡単に理解できず言葉にも表わせづらいが、今回は出演者や演出の見事さに拍手を送りたい!シーンの見せ方、役者の登場の転換などほんとにやってる側は大変だろうが、見てる側は“えっ”と思わせる感じ。今までの中ですごく心に焼きついた。

 キャストも常連妻夫木君、そして野田作品初の仲村トオル君の二人の対象ぶりがいい。超常連深津ちゃん!今回は歌声も素敵でますます魅了させられました。大倉くんのコミカルさに笑い、ベテラン橋爪さんのアドリブっぽさの楽しさ、秋山さんのスタイリッシュさなどそれぞれが素敵。そしてストーリーはいつもながら後々、“あっこういう話と繋がってるんだ”と感心させられる。そして今回のラストも見事な仕掛けでOPと繋げていった見せ方と、野田さんの締め方、嫌いじゃない!!

ラストまで素晴らしく見せてくれて更に好感がもてた舞台でした!
120912+エッグ.jpg
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みっちゃん

あんぱんち〜様

重ね重ねniceありがとうございます!
by みっちゃん (2012-09-21 00:06) 

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