SSブログ

映画16「そこのみにて光輝く」 [映画]

映画「そこのみにて光輝く」を観る。

 41歳で自ら命を絶った不遇の作家・佐藤泰志が遺した唯一の長編小説を綾野剛、池脇千鶴らの出演で映画化したヒューマンドラマ。佐藤の生まれ育った函館を舞台に、それぞれ事情を抱えた3人の男女が出会った事から起きる出来事が描かれる。監督は『オカンの嫁入り』で新藤兼人賞に輝くなど、高い評価を得た呉美保。

=STORY=
 ある出来事をきっかけに仕事を辞め、あてもなくただふらふらとしていた達夫(綾野剛)は、パチンコ屋で拓児という青年(菅田将暉)に使い捨てライターをあげたことをきっかけに知り合う。荒っぽいところがあるが人懐っこい拓児は、達夫を家に呼ぶ。拓児の家は、サムライ部落の中でも取り残されたようなかろうじて建っているバラックだった。そこには寝たきりの父親と、父親の世話をする母親、そして姉の千夏(池脇千鶴)がいた。達夫と千夏はそれぞれの身の上を話すうちに、惹かれあっていく。一家を支えるために辛い仕事もする千夏に、不器用ながら一途に愛を注ぐ達夫。そんな中、ある事件が起こる……。

 愛知県では名古屋と豊橋でしか上映されていないから、映画ファンの口コミで広がってなのか、はたまた綾野剛くん人気なのか分からないが、お客さんが多かった。
 ストーリーはそれぞれ事情を持ちながら不安を抱えつつ生活している様がすごくリアルで、人の生活をのぞき見しているような感じ。それでも主軸3人のキャラが立っていて、また心情の表現がすごく良かった。特に綾野くんと千鶴ちゃんがお互いに惹かれあい大切な存在と感じ、孤独から解放されていくと共に、混沌としていた表情から少しずつ生命力が満ちた顔つきに変わっていったのにはハッとさせられた。心と身体のバランスが崩れていく様子など見ていて痛いけど本当に気持ちが伝わってくる。その二人を繋ぐ菅田くんも人懐っこい人の良いキャラ。そして髙橋くんも嫌な役を見事にこなしていた。もう少し見ていたいエンディングでもあったが、そう〆たかと納得も。

 久しぶりにリアルなヒューマンドラマ・人間の性を考えさせられ、身体を張った役者魂を見せてもらった単館映画でした。
20140508そこのみて光輝く.jpg
nice!(2)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

nice! 2

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。